痛みを和らげ、
動く喜びを取り戻す
関節リウマチは免疫システムが誤って自分の体を攻撃することで起こり、関節や筋肉、内臓に炎症や痛みを引き起こします。リウマチ科では、患者さんの症状に応じて診断や治療を行い、炎症を抑える薬物療法(抗リウマチ薬、免疫抑制剤など)やリハビリテーションを通じて症状の改善を目指します。早期診断と治療が重要で、生活の質を向上させることを目指しています。
朝のこわばり見逃さないで。
早期発見で関節を守る。
関節リウマチの主な症状は次の通りです:
- 関節の腫れと痛み: 手指や足指の関節が特に多く影響を受け、腫れや痛みを感じることが一般的です。
- 朝のこわばり: 朝起きたとき、関節が硬く感じ、動きにくい状態が1時間以上続くことがあります。
- 左右対称の関節炎: 左右両方の関節が同じように影響を受けることが多いです(例:両手の指や両膝)。
- 疲労感: 全身的な疲労感や倦怠感が伴うことがよくあります。
- 発熱や体重減少: 一部の患者では微熱や体重減少が見られることがあります。
- 関節の変形: 進行した場合、関節が変形し、動きに制限が生じることがあります。
これらの症状が進行すると日常生活に支障をきたすため、早期診断と治療が重要です。
確かな診断、正しい治療へ。
早期診断で早期対応を。
診断にはACR/EULAR分類基準が広く用いられています。この基準は、早期診断を可能にするために設けられたもので、次の4つのカテゴリに基づいて評価されます。それぞれにスコアが割り当てられ、合計スコアが6点以上で関節リウマチと診断されます。
1. 関節の関与
- 1つの大関節: 0点
- 2~10の大関節: 1点
- 1~3の小関節(±大関節): 2点
- 4~10の小関節(±大関節): 3点
- 10以上の関節(少なくとも1つは小関節): 5点
2. 血清マーカー(リウマトイド因子や抗CCP抗体)
- 陰性: 0点
- 低陽性: 2点
- 高陽性: 3点
3. 炎症反応(CRP、ESR)
- 正常: 0点
- 異常: 1点
4. 症状の持続期間
- 6週間未満: 0点
- 6週間以上: 1点
この基準に基づいて、関節リウマチの診断を行い、早期に適切な治療を始めることが推奨されます。
痛みを乗り越え明日へ前進。
当院がサポートします。
リウマチの主な治療法は以下の通りです
1. 薬物療法
- 抗リウマチ薬(DMARDs): 病気の進行を遅らせ、関節破壊を防ぐ薬。代表的なものにメトトレキサートやサラゾスルファピリジンがあります。
- 生物学的製剤: 免疫系に作用し、炎症を引き起こす特定の物質を抑える薬。抗TNF製剤やIL-6阻害剤などが含まれます。
- JAK阻害薬: 免疫シグナル伝達を阻害し、炎症を抑える新しいタイプの薬。
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬): 痛みと炎症を軽減するための薬。例:セレコキシブやナプロキセン。
- ステロイド(副腎皮質ステロイド): 急性期の炎症を抑えるために使用されるが、副作用があるため、長期使用は避けられることが多い。
2. リハビリテーション
- 理学療法: 関節の可動性を維持し、筋力を強化するための運動療法。関節に負担をかけない範囲で行います。
- 作業療法: 日常生活の動作を改善し、痛みを軽減する方法を指導します。専用の補助具なども活用されます。
3. 生活習慣の改善
- バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理、禁煙なども症状の管理に役立ちます。体重管理は、関節にかかる負担を減らすためにも重要です。
関節リウマチの治療は、個々の患者の症状や進行度に応じて適切な治療法を組み合わせることが必要です。また、早期診断と治療開始が、関節破壊の予防に大きく寄与します。