第5中足骨骨折は、足の小指側にある第5中足骨(足の小指の付け根からかかとにかけて伸びる骨)が骨折する状態です。この骨折は、スポーツ中や日常生活での転倒、捻挫などによってよく発生します。第5中足骨の骨折は、その場所によって異なる種類に分類され、特に注意が必要です。

第5中足骨の骨折の種類

  1. 基部骨折
    • 足首をひねったときに、腱が第5中足骨の基部(骨の一番端)に付着している部分を引っ張ることで、骨の一部が引き裂かれるように骨折します。
    • 捻挫と同時に起こることが多いです。
  2. ジョーンズ骨折
    • 第5中足骨の基部のやや前方(中央部分)で骨折が発生します。血流が少ない部位であるため、治りにくい傾向があります。このため、治療に時間がかかることが多く、特にスポーツ選手に多く見られる骨折です。
  3. 疲労骨折
    • 長期間にわたって繰り返し負担がかかることで、骨が弱くなり亀裂が入るタイプの骨折です。過度のランニングやジャンプなどが原因で起こります。

主な症状

  • 痛み: 足の小指側、特に骨折した部位に激しい痛みが生じます。歩くことが困難になり、痛みが続きます。
  • 腫れとあざ: 骨折部位周辺に腫れやあざが見られることが多いです。
  • 歩行困難: 骨折の程度によっては、足に体重をかけることが難しくなります。

治療法

第5中足骨骨折の治療法は、骨折の種類や重症度によって異なります。以下に一般的な治療法を紹介します。

1. 保存療法(非手術治療)

骨がずれていない場合や、軽度の骨折では保存療法が一般的です。これには以下の方法があります。

  • 安静とアイシング: 足を休め、腫れや痛みを抑えるためにアイシングを行います。アイシングは1回20分程度、1日に数回行うと効果的です。
  • ギプスや装具の使用: 足を動かさないように固定するため、スプリントやギプスが使われます。これにより、骨が自然に治癒するのを促します。通常、固定期間は約4~6週間ですが、骨の回復状況により異なります。
  • 松葉杖の使用: 骨が癒合するまでの間、足に体重をかけないようにするために、松葉杖を使用して歩行を補助します。

2. 手術療法

骨折が複雑な場合や、ジョーンズ骨折のように自然治癒が難しい骨折の場合、手術が必要になることがあります。

  • 骨の再固定: 骨がずれている場合、骨を適切な位置に戻すための手術が行われます。プレートやスクリュー、ピンを使って骨を固定し、安定させます。

3. リハビリテーション

骨が癒合した後は、リハビリテーションを行い、筋力と柔軟性を回復させることが重要です。リハビリでは、次のような活動が行われます。

  • 足と足首のストレッチ: 足底筋膜や足の筋肉をゆっくりと伸ばすことで、柔軟性を取り戻します。
  • 筋力トレーニング: 骨折した足の筋力を再び強化するため、軽い筋力トレーニングが推奨されます。
  • バランス訓練: 足首や足のバランス感覚を回復させるための訓練が行われます。

回復期間

回復期間は骨折の種類や治療法によって異なりますが、軽度の骨折であれば6〜8週間、ジョーンズ骨折や手術が必要な場合は3か月以上かかることがあります。スポーツ活動に復帰する際は、医師の許可を得て、リハビリを十分に行うことが大切です。

予防

第5中足骨骨折を予防するためには、以下のような対策が有効です。

  • 足に合った靴を履き、足のサポートをしっかり行う。
  • 足の筋力や柔軟性を高めるストレッチやトレーニングを日常的に行う。
  • 無理な運動や激しい活動を避け、適度な休息を取ること。

骨折を予防することは難しいですが、リスクを減らすために適切なケアを行うことが大切です。