変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)とは?
変形性頚椎症は、首の部分にある頚椎(けいつい)に加齢や長期の負担によって起こる変性疾患です。頚椎は、脊柱の一部であり、首の動きや頭部の支持に重要な役割を果たします。加齢や長期間の姿勢の悪さ、外傷などによって椎間板(ついかんばん)や関節が摩耗し、骨が変形することで、以下のような症状が現れます。
主な症状
- 首の痛み: 頚部に鈍い痛みや凝り感が生じる。
- 頭痛: 頚椎の問題により、後頭部に痛みが放散することがある。
治療法
変形性頚椎症の治療は、症状の程度や個々の状態に応じて選択されます。一般的には、保存療法から始まり、必要に応じて外科的な治療が行われることがあります。
1. 保存療法
- 休養と姿勢の改善: 無理のない姿勢を保ち、頚椎に負担をかけないようにすることが大切です。枕や椅子の使い方も工夫します。
- 理学療法: 筋肉をほぐしたり、関節の柔軟性を改善するためにリハビリテーションを行います。これにより、痛みの軽減と可動域の改善が期待できます。
- 投薬治療: 鎮痛剤や筋弛緩剤、抗炎症薬などが処方され、痛みや炎症を抑えることが目的です。
- 装具療法: 頚椎カラーなどを使用して、首を安定させて痛みを軽減します。
2. 外科的治療
保存療法で症状が改善しない場合、以下のような外科的手術が検討されることがあります。
- 骨の突出(骨棘)の除去: 骨の変形による神経圧迫を軽減するために、突出した骨を削る手術。
- 固定術: 頚椎を安定させるために、人工の支柱を挿入したり、骨を金属で固定する手術が行われます。
予防・生活上の注意点
- 正しい姿勢を保つ: 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用では、首に負担がかかりやすいため、定期的に休憩をとり、姿勢に注意することが大切です。
- 適度な運動: 首周りの筋肉を強化し、柔軟性を保つ運動が予防に効果的です。
- 負荷の軽減: 重い荷物を持つときは無理せず、頚椎に負担がかからないように工夫します。
変形性頚椎症は、加齢とともに進行することが多いですが、適切な治療と生活習慣の改善で、症状の進行を遅らせることが可能です。